単独インタビュー『KAKASHI』群馬のバンド(総勢22組)が集うサーキットイベント「俺たちの群馬だっ!!!(高崎club FLEEZ)」を主催

Photo by トミオカユキナ

2020/10/31『高崎club FLEEZ』にて、最終日を迎えた群馬のバンド(総勢22組)が集うサーキットイベント「俺たちの群馬だっ!!!」をレポート。

2020/10下旬、高崎club FLEEZ。群馬のバンドマン達がついにライブハウス・オーディエンスの前に帰ってきた。「俺たちの群馬だっ!!!」は、昨年第1回が開催され、今年で第2回を迎えた。
猛威を奮い続ける新型コロナウイルスの影響により、第1回とは開催方法を大きく変えた同イベント。三日間で総勢22組のアーティストが出演。イベントによって得られた収益は、コロナ禍で苦戦するライブハウスに全額寄付される。この日、高崎club FLEEZに集結したバンドマン達は完全ノーギャラにてステージに立った。
今回GOOR*では、「群馬のKAKASHI」こと、俺たちの群馬だっ!!!主催者兼イベント最終ステージを飾るライブ直前のKAKASHIに独占インタビューを行い、彼らのライブに迫った。

取材・文:吉田・木戸口

(黒字:KAKASHIメンバー、青字:インタビュアー

本日はライブ前の貴重なお時間をいただきありがとうございます!
今回のイベント「俺たちの群馬だっ!!!」はKAKASHIさんが主催者とのことですが、イベントにかける想いであったりを伺えたらと思っています。

齊藤雅弘(Gt,Cho):
今まで群馬のバンドが集まるイベントを先輩方がやってくれていたんですけど、
最近、開いてなくてそういったイベントがなかった。
結束とかではないんですけど、そういう風に集まってバチバチやる機会がなくて、群馬のバンドシーンにも、派閥のようなものが生まれてしまった。
多少ですけど(笑)
でも、昔みたいに(バンド同士が)フラットな感じでやってた方が楽しいんじゃないかなって。

それで、「じゃあ、今の俺らだったら、何バンドか選んだ中でトリをやって格好良くできるな。」って思って。

なるほど。活動について新型コロナウイルスの影響もあると思いますが、その辺はどうでしょうか。

堀越颯太Vo,Gt):
今は(バンドの活動を)やれるだけ奇跡的な状況ではあるので、コロナの影響だったりもあって、やってて意味あるのか?とか、お客さんも来づらいのかな?とか、もちろん来てくれる方もいるんですけど考える。ツアーで遠くまで行くと交通費とかもかかる。そうなると、お客さんもライブハウスに入れない、結局赤字をしに(遠くまで)行くことになってしまう。
まじで意味あんの?って思ったりしますけど。

。。。まあ、それはそれって(笑)。好きだし。

「今、ライブハウスに行かないとライブハウスも無くなっちゃうし。」っていうのではあるので、誰かがやらないと何も無くなっちゃう。

ずっとそうなんですけど。やるかやらないか考えても結局やるしかない。時間経ってみれば、考えるだけ無駄だったなと感じる。結局今回のイベントも(やらなければ)自由な時間は増えるしだったりで、やらなくても良いんですけど。
でも、こういう状況でとりあえずやるしかないって思ってやってます。

今回のイベント「俺たちの群馬だっ!!!」についても、収益は全額開催されるライブハウス(高崎club FLEEZ)に寄付されるとお聞きしました。今のお話のような意図があるのでしょうか。

齊藤雅弘(Gt,Cho):
(コロナ禍で)ライブハウスが危機的状況にある中で、自分たちが何かしらライブハウスに返せること・出来ることってないかな?と思って、何ができるか考え始めて。この「俺たちの群馬だ!!!」は去年もやったイベントなんですけど、今年もやろうと思ったんです。
でも、ただやるだけでは終わりたくなかったので、高崎club FLEEZと話している時に、ライブハウスになんかしたいなって思った。それで三日間の収益をフリーズに寄付しようかなって思って。
それで恩を返せるなら全然いいのかなって。

よく「群馬のKAKASHI」というキャッチフレーズを耳にします。先ほどのお話も含め、群馬のライブハウスへの想いという点ではどうでしょうか。

堀越颯太Vo,Gt):
バンドとしての始まりが前橋だったみたいな。そこも初めてライブに出た場所ってわけでもないんですけど。公式のKAKASHIとしては前橋。

齊藤雅弘(Gt,Cho):
前橋ダイバーでやらせていただいて、前橋ダイバーも高崎club FLEEZも仲がいいので、前橋ダイバーで成長してお客さんを呼べるようになって、よりキャパシティのある高崎club FLEEZにきたって感じですね。イベントやるようになってどっちもホームって感覚があります。やっぱり群馬サンバーストとか自分たちがやってきたところはホームだと思って、愛もあるので、群馬(のライブハウス)はホームだと思ってやってます。

だからこそ、高崎club FLEEZだけではなくて、他のライブハウスにも何かしらの方法で恩返ししていきたいと思っています。

本日はイベントの最終ステージ・トリを飾るとのことですが、今日のライブについてはどうでしょうか。

堀越颯太Vo,Gt):
今日のライブはセットリストを中屋敷が考えたんですけど、今まではずっと自分が決めていたんです。今回のイベントは、初日がまさ(齊藤雅弘)で、2日目がゆうすけ(関佑介)、最終日を中屋敷が組んだんです。

セットリストをメンバー各々が作るということには、バンド的に何か意図があったりするのでしょうか。

齊藤雅弘(Gt,Cho):
なんかおもろそうだなって(笑)

なるほど。セットリストの作成にあたって、中屋敷さんからコメントをいただければと思うのですが。

中屋敷智裕Ba,Cho):
自分的にスニーカーソングって曲は、めちゃくちゃ群馬を感じる曲ですね。正直、そうた(堀越颯太)が作った曲なので、そうたの地元の歌だとは思うんですけど。(※堀越颯太さんの地元は埼玉県)

堀越颯太Vo,Gt):
そうだねガッツリ地名も入っちゃってるからね(笑)

中屋敷智裕Ba,Cho):
でも、自分的には自分が高校の時に感じたこととかだったりが感じられるんですよね。なんていうんだろう歌詞とかで、当時の情景を思い出せるんですよね。バイト帰りの高架下チャリで走ってた時の夕日だったり、なんかそういうピンポイントで思い出す感じなんですよね。

堀越颯太Vo,Gt):
わかる。雰囲気とかこっからの景色ってのがあるよね。

中屋敷智裕Ba,Cho):
そう、それで今日やって見たいなあって思って。普段だったら絶対にやらないですけどね。本当に知っている人しか知らない曲だと思うんです。

ありがとうございます!
では、最後にライブへの意気込みを聞かせて頂けますか。

関佑介Dr,Cho):
今日のイベントに関しては、僕たちはきっかけを作っただけだと思っているので、ライブハウスと今日出てくれるバンドに感謝することももちろんなんですけど、そもそも来てくれるお客さんがいなければ成り立たない。
だから今日来てくれるお客さんが楽しんでくれることが、なんだかんだ良いことなのかなって思う。
目の前にいるお客さんを大事にしたいと思います。

ありがとうございます!

Photo by トミオカユキナ

「俺たちの群馬だっ!!!」最終ステージ KAKASHI

10/31、群馬県のバンド総勢22組が集結したサーキットイベント「俺たちの群馬だっ!!!」は、初日・二日目の勢いや盛り上がりをそのまま、ついに最終日トリのステージを迎えた。出演は主催者KAKASHI。

今回のサーキットイベントでは、新型コロナウイルス感染拡大防止のための政府のガイドラインに準じ、会場の半分のキャパシティである観客を収容した。ライトアップされたステージ上から、会場全体へと堀越颯太Vo,Gt)の声が響く。そのままKAKASHIライブの定番曲「本当のこと」でライブがスタート。『流星の中で』『初志』と激しいフラッシュに包まれた会場内は勢いを増す。間にMCを挟んで、この日のライブセットリスト作成者中屋敷智裕Ba,Cho)一押しの『スニーカーソング』。

黄色のライトに照らされたステージ上の彼らを観て、中屋敷智裕Ba,Cho)のインタビュー時、「当時の情景を思い出せるんですよね。バイト帰りの高架下チャリで走ってた時の夕日だったり。」という発言を思い出した。

堀越颯太Vo,Gt)は、「ライブハウス群馬を最後までよろしく」と語りかける。『さらば愛しき青春』から、「失くしたものは、無かった事・消えたことには出来ない。変えられないからこそ美しい。」と、『ライフ イズ ビューティフル』へ会場の盛り上がりは勢いを緩めることなく、ラストは結成当初からの定番曲・ファンもよく知る『ドラマチック』、二度のアンコールにも応え、ファンを楽しませた。

今回のイベントに対する姿勢を、堀越颯太Vo,Gt)は、「熊本地震の時に、知り合いのバンドマンに募金企画に誘われたが、今まで募金した事ないから他人になんて呼びかけられず、参加できなかった。今日が人生初の募金」と明かす。

コロナ禍のライブハウスへ恩返しの気持ちが込められ、ノーギャラにて出演、収益は全額を寄付する今回のイベント俺たちの群馬だっ!!!は、「ライブハウスへの恩を返す。」「今日出てくれるバンドへ感謝。」「目の前のお客さんを大事に。」とメンバーそれぞれが語る群馬のKAKASHIと、高崎club FLEEZに集結した盟友バンドマン達・観客・ライブハウス・その他関係者によって大成功を収めていた。

なお、2020年12月13日には、KAKASHI 1st Full Album 「Life is Beautiful」Release Tour「​エターナルフォースブリザードツアー」のツアーファイナルが、高崎club FLEEZにて開催される。

これからも群馬のKAKASHIからは目が離せない。
チケットの購入は、下記のKAKASHI official web siteから!!

Photo by トミオカユキナ
(L→R) 関佑介 齊藤雅弘 堀越颯太 中屋敷智裕

群馬のロックバンド KAKASHI

感情が溢れても言葉にできない思い、自分自身で解決する他ない葛藤、誰もがふとした瞬間に抱えてしまう気持ちを代弁するかのような真っ直ぐ心に突き刺さる日本詩、それを流し込むかのようなキャッチーなメロディ、人対人の熱のこもったライブパフォーマンスはROCKと呼ぶほかにない。
公式サイト:https://www.kakashi-official.net

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